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海上自衛隊 海曹給養課程の調理教務に「銀座 八五」店主松村が参加しました

2024.05.30

令和6年4月25日(木)に行われた海上自衛隊第4術科学校(京都府舞鶴市)海曹給養課程の調理実習教務に当ラーメン事業部総料理長で銀座 八五の店主を務める松村康史が講師として参加しました。
松村は、ラーメン業界に飛び込む前はフレンチのシェフとして活躍していました。その頃から約16年ほど調理教務の講師を継続して務めています。
この教務は海上自衛隊の中でも艦艇や陸上の基地で隊員の給食を作る仕事をしている給養員の知識習得や技術の向上及び、艦艇が海外の港に寄港した際のレセプション料理の技術習得を目的とし行われています。今回の教務内容は海外寄港時のレセプションを想定したビュッフェ形式で振舞う西洋料理の調理実習でした。今回、特別に取材をさせていただきましたので、その調理実習教務の様子をお届けします。

(普段は見ることのないコック帽姿がお似合いの元フレンチシェフで現「銀座 八五」店主 松村康史)

●挨拶と調理メニューの説明
まずは給養科長から松村の紹介と松村から海曹隊員への挨拶から始まり、松村が考案したレセプション料理15品のメニューと調理内容の説明をします。
隊員は熱心に松村の説明を聞き、自身が担当するレシピにメモを入れていきます。


●調理
説明が一通り終わるとすぐ実習が始まります。それぞれが持ち場につき、準備を進めていきます。
この日のメイン料理でもある「若鶏のパン粉焼き トマトソース」を作るグループでは鶏を一から捌く難易度の高い工程がありました。松村が包丁を握ると、別グループの隊員達も松村を囲み、手元を真剣な眼差しで見つめていました。こうした技術は普段から作る量が多い給食作りにも応用が利く内容になっています。

(鶏の捌き方を実演する松村と真剣な表情で手元を見つめる隊員たち)

そして、レセプションを想定した料理では、味だけでなく見栄えも重要になります。料理の美しい魅せ方を意識した盛り付けも松村が丁寧に教えていきます。

(松村指導の下、隊員によって盛り付けられたカナッペ)

こうした調理実習の外部講師は松村だけでなく、同じように各ジャンルのプロが講師を務め隊員たちの教務を支えています。教務を受講している隊員は、「普段はそれぞれが配属先で給食を作っているため、外部の講師の方から直接教えていただける機会はほとんどありません。普段、思い込みで調理していたりする場合もあるので、そうした一つ一つの工程においてプロの技を間近で見学できたり、実際に質問をしながら実習を重ねることで答え合わせができる貴重な場だと思っています。それから、料理の引き出しを増やせるので給食のメニューの幅も広がります。次はこの技術を経験が浅い隊員に教える立場になっていくので、こうした場で教わったことを伝えていきたいです。」と話されており、こうした実習の教務は個人の技術向上だけでなく、教育といった側面でも全体のレベルアップに貢献しているようです。

(インタビューに回答してくださった隊員と実習を見守る松村)

その他にも、「レシピを読んだだけではわからない細かい調理のポイントを学ぶことができています。普段の給食作りでは、例えば食材のカットを機械で行っていたりするので、いざレセプション料理を振舞う場面に直面した時にこうした教務の内容がとても役立ちます。」と話されている隊員もいました。普段の給食作りとは違う高度な技術が必要になる場面でも役立っているようです。

(鮮魚のすり身を調理しながらインタビューに答えてくださった隊員)

●作成した料理の成果確認
調理実習の最後には学校長をはじめとする幹部職員をお招きし、作成した料理の採点と評価が開始されました。採点開始直後の海曹隊員は、料理の反応に少々緊張しているようにも見えましたが、幹部職員は終始笑顔で料理の出来映えや海曹隊員との会話を楽しんでおられ、徐々に海曹隊員も朗らかな表情に変化している様子でした。

(海曹隊員が作成した料理を笑顔で楽しむ幹部職員と海曹隊員)

●教務を終えて
教務を終えた松村は、「料理にはアイデアも必要ですが、食材同士の相性や、食材そのものの良さを最も引き出す味付けなど、料理の基礎を学ぶことで応用が利くようになっていきます。普段の給食はもちろんのこと、レセプションなど外国との交流の機会には、日本の料理の文化や水準が世界的に高いことを知ってもらうきっかけになれば嬉しいです。」と話しており、普段「銀座 八五」でお客様に中華そばを振舞う時とは違う、技術を教えることの喜びを感じているようでした。

当日同席していた筆者である広報担当は、普段のコックコート姿とはまた違った松村の一面を知りギャップに驚いたと同時に私たちの国を支える自衛隊員の方々と真摯に向き合う松村の姿に感銘を受け、ラーメン店の店主がこうした一面を持つことをとても誇らしく感じました。そして、”自衛隊”と聞くと過酷な訓練や厳しい規律などのイメージが先行していましたが、真剣に取り組みながらも穏やかな表情で教務に取り組む隊員の姿や、笑顔溢れる教務風景を見学させていただき、これまで私自身の中で勝手に作り上げていたイメージが大きく覆されました。”給養”という職務にあまり聞きなじみがありませんでしたが、自衛隊にも”縁の下の力持ち”が存在し、それは巡り巡って私たちの変わらない日常を守ってくれている素晴らしい方々の集団であることを強く感じた1日になりました。

(調理実習教務を終えた松村と隊員の集合写真)

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